人間には自分たちの力ではどうすることもできない、まさしく神様のいたずらとも思える出来事がたくさんあります。人間としての無力を感じる瞬間が・・・。
まさしく、私も「包茎」に翻弄される人生を送ってきたのです。同志であるみなさんへの想いをこめて、恥をこめて「包茎」と私の人生の歩みをお伝えします。
私が、包茎というものに出会ったのは、高校二年の夏のことでした。一学期の期末試験が終わり、そこそこ友達の多かった私は、男友達3人、女友達3人で海へ行くことにしたのです。まだ、恋愛もしたこともないもの同士で集まってはいたのですが、もちろん、その女性の中には私の好きだった娘がいたので、まさしく前日は遠足気分で寝れなかったことを思い出します。夜が明け、最高の海日和と言っていいくらいの快晴。気持ちはますます高まります。海に到着すると早速自分たちの陣地を抑えて、海の家へ。
そこで悲劇が待っていたのです・・・。
うぶな私は少し恥ずかしげに着替えていたのですが、仲間の一人がふと一言。
「お前、かせいじんじゃん!」
私の中で、頭の中が混乱しました。私は間違いなく地球人だ。まぎれもない地球人だ。そして典型的な日本人なのだ!しかし、何だ、この今まで味わったことのない馬鹿にされたかのような感情は。万が一にも私がかせいじんだったとしても、そんな言い方をするもんだろうか。。。私は勇気を出して立ち向かいました
「お前だって、かせいじんじゃねーか!」
ふたちの男友達は、目がテンになり、直立していました。そして自分のパンツをおもむろに脱ぎ、高らかに宣言したのです。
「これのどこが、かせいじんなんだよ!」
見事な彼のずる剥けた息子を目の前に、私は無力でした。彼はかせいじんではなかったのだと。。。
その後のことは、ほとんど記憶がない状況です。唯一覚えているのは、その男友達2人が女性陣の前でも、私のことを「かせいじん」と呼び爆笑されたこと。中でも私が好きだった女の子が一番高らかに笑っていたこと。私の初恋は包茎と共に終わりました。。。
第二の包茎の悲劇は大学に入ってから。大学入学と共にテニスサークルに入って大学デビューを志した私の出だしは好調でした。新歓コンパでであった他校の同級生と仲良くなり、過去のトラウマが徐々に薄れていく感じがしたのです。本当に、女性の優しさやおしとやかさというものを感じ、このような女性と付き合いたいなぁと思っていたところでした。
しかし、笑顔が素敵な彼女は本当に誰からも人気がある姿を見て、なかなか一歩が踏み出せない私の気持ちを察してか、その女性から映画のお誘いが。これはチャンス!と思い、対してみたくもない映画を見に行ったのです。映画を観終わり食事をし、帰りがけ、私は勇気を振り絞って告白をしたのです。結果は「OK!」。私にも、本当の春が来たのです。
彼女と付き合っていく中で彼女にますます惚れていく自分がいました。そして運命の初体験の日。その日が第二の悲劇だったのです。いつものように彼女と食事をして送って帰ったのですが、彼女から家によっていく?とのお誘い。青春真っ只中の男です、断る意味が分かりません。まるで過去にも経験があったかのようになれたそぶりで彼女のうちに上がりました。
最初は他愛もない話でしたが、男女ふたりが一室にいたらばやることはひとつです。ビデオを思い出して、思いの限りの背伸びをした行為をしていたと思います。彼女の雰囲気もそれほど悪くなかったはずなのです。私もとうとう我慢ができず、パンツを下した瞬間、彼女の顔から妖艶さは消え去り、そこには鬼の形相が。
「くっさ~」
彼女の辞書から「優しい」という言葉が消えた瞬間です。私もどうしたらよいものかわからず、、、ただアタフタするばかり。
「かせいじんとは思わなかったわ!」
と彼女。でました・・・。また、例の言葉が。。。私はかせいじんではないのに。。。地球に生まれ落ちた地球人なのに。
でも、二度目の経験である私は、なれたそぶりでパンツをはき、そそくさと部屋を立ち去ったのです。
彼女とは、それ以来会っていません。ただ、風のうわさでは、私のことを「かせいじん」と言いふらすだけにとどまらず、ずる剥けの男たちとセックスをやりまくるヤリマンになってしまったとのことでした。高校時代のずる剥け友人とだけはやってくれるな、とは影から祈るしかできません。
包茎は私の人生だけでなく、愛する女性の人生までも大きく変えてしまったのです。
その後の人生でも私は包茎というものに踊らされてきました。社会人になっての社員旅行先で、初めての風俗で、と数え上げたらきりがないほどです。
「包茎」とは私にとって、人生そのものと言っても過言ではありません。もちろん、「包茎」によって人生を台無しにされたと恨んだこともあります。しかし、今だから言えます。
包茎と出会えてよかった
と。
包茎からの学びが多くありました。そして、包茎はちゃんと治療できるものなんだと知りました。治療した後の、私の人生はきっと誰よりも輝いて見えたと断言できます。今の私の幸せは包茎のおかげです。
そして、私がこの「包茎大学」を開校するに至ったのも、包茎はちゃんとどういうものか知れば、人生は輝かしいものに変わるということを包茎に悩む諸君に伝えたかったからなのです。あなたもきっと変われる。そう信じて。